第2段 東日本大震災に思う

大祓え 悲嘆の梅雨空 祈り見る

 今年は例年より二週間も早く、五月の終わりに梅雨入りしてしまいまた。原発事故により節電を強いられる、蒸し暑い夏が始まりました。

 どうして今年に限ってこんなに早い時期に梅雨入りしてしまうのか。避難所で不自由な生活を強いられている被災地の人々には、何て酷な雨なんだろう。そう思っているうちに、次の言葉が浮かんできました。

 『大祓え』古来宮中では、六月と十二月の晦日に、親王以下在京の百官を朱雀門前の広場に集めて、万民の罪や穢れを祓ったそうです。そしてその神事を『大祓え』と言いました。晦日とは月の三十番目の日、月末をさします。今年の梅雨入りが五月の終わり、一ヶ月の違いがありますが、何か感じるものがあるのは、私だけでしょうか。

 津波で破壊された漁港。海水の塩害で農作業ができなくなった田畑。放射能汚染で人が住めなくなった集落。一日でも早い復興には「悪いことはすべて洗い流してもらいたい」、というのが被災地の方々の偽ざる気持ちかもしれません。

 先日、自衛官になった卒塾生から電話がありました。電話口で彼は話してくれました。震災の翌日12日に宮城県へ派遣され、6月になってやっと名古屋へ帰って来たこと。その間の生活は、被災者より良い状況ではいけないとのことで、すべてテントの中で過ごしたこと。被災地の状況は言葉では言い表せないほどのひどい状態であったこと。4人の遺体を見つけた時には胸が詰まったこと。帰還する時には、手を振り握手を求める住民の人たちの「ありがとう」の言葉に任務の充実感を感じたこと。そして自分たちのした仕事は復興へのファースト・ステップで、これからが復興へ向けての本番であり、大勢の人たちの協力が必要であることを。

 私にはSoftBankの孫氏のような何百億円もの義援金を送る財力はありません。また芸能人やスポーツ選手のように人を感動させるような特殊な才能もありません。そんな私にできることは何か。塾人として教育界に身を置く私にできることとは何か。それは人材を作ることです。

 確かに今の私には数人の命も救うことができません。しかし10年後には塾の卒業生の中から画期的な地震予知システムを発明する者が出て、1万人の命を救うかもしれません。今日からはそんな思いを込めて、新たな気持ちで教壇に立ちたいと思っています。

 最後に、今回の東日本大地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、災害に遭われた人々の1日でも早い復興を心からお祈り申し上げます。
 

 

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